阪神・掛布2軍監督「ちょっと短かった…」志半ばの退任 2年間で人生大逆転、フロント入りで第三幕 夕刊フジ

一軍がシーズン3位以内でクライマックスシリーズ(CS)進出を決定した28日、今季限りで退任する阪神・掛布雅之2軍監督(62)が、ウエスタン・リーグ今季最終戦の広島戦(甲子園)で指揮を執った。在任2年でユニホームを脱ぐミスタータイガースは、29日に坂井信也オーナーと会談。球団のアドバイザー職就任を要請され受諾した。

「ちょっと短かったかな。(2年間で)自分ができることはできた。一方で、時間があれば違う形を作れたかな」

金本知憲監督(49)との指導方針の違いから、志半ばでユニホームを脱ぐ無念さがにじんだ。

試合終了後、選手から胴上げを提案されたが、「勝者がするもの」と固辞。試合を締めた高宮からウイニングボールを差し出されても、笑顔で受け取らなかった。だが、掛布氏は縦じまのユニホームに再び袖を通したこの2年間で、人生の大逆転に成功したといえる。

1988年に現役引退後、冗舌なトークを武器に人気解説者となったが、その後巨額の債務を抱え自宅が競売にかけられる騒動に。その頃からテレビ局の解説者の契約を解除されるなど仕事が激減し、表舞台から消えかかった。

ところが2013年10月、当時の中村勝広GM付育成&打撃コーディネーター(DC)として25年ぶりに阪神に呼び戻されたことが転機に。15年オフには、金本監督の意向で2軍監督に就任。若手選手に視線を合わせた指導は好評を博した。

この日の甲子園には坂井オーナー、四藤球団社長以下球団フロントが顔をそろえ、関係者通路では各テレビ局幹部が鈴なりになって「掛布詣で」に余念がなかった。

「今年末には、地上波でこの2年間の功績を振り返る特番が放送されます。ユニホームを脱いでも、球団フロント職に就けば“タイガースブランド”の恩恵を受け、さらに解説や講演の仕事にも制限がないとなれば、仕事の単価も依頼の数も青天井でしょう」(在阪テレビ局関係者)

2年間の自己採点を「それはもう、31点で!」と背番号に引っかけて振り返った掛布氏。立場は変わっても、唯一無二の存在は色あせない。(山戸英州)