阪神・糸井「勝ちたかったですけど…。(CS進出&2位確定へ、引き分けでは)どうなんかな?」「あした是が非でも。みんなで勝ちを取りにいきます」

(セ・リーグ、DeNA4-4阪神=延長十二回規定により引き分け、23回戦、阪神13勝9敗1分、27日、横浜)沈みかけていたベンチに向かって、熱くこぶしを握った。一発で虎を長い眠りから覚ますと、一打で崖っぷちから救った。もう負けられなかった。糸井がいなければ、負けていた。九回一死からの同点打を含む3打点だ。

「勝ちたかったですけど…。(CS進出&2位確定へ、引き分けでは)どうなんかな?」

長いゲームを終え、バスへと引き揚げる長い通路でも、気になったのはチームの置かれた状況だけだった。ノドから手が出るほど欲しかった得点を、無我夢中で奪いにいった。敗れかけの一戦を、死にものぐるいで取り戻した。

3-4の九回。先頭の高山が三塁内野安打で生き、俊介の捕前犠打と、上本の四球で一死一、二塁。つないでくれた若手中堅に、熱く応えた。守護神・山崎康を撃破する同点打。ライナーが右前に跳ねると、一塁上で激しくガッツポーズを作り感情を露わにした。同点でとどまりはしたが、ベテランの意地が出た。

甲子園で1点も奪えず2連敗。敵地へ移っても3・5差まで迫ってきた3位DeNAに4点を先制され、重苦しい展開になった。連続イニング無得点は今季ワーストまで伸びたが、それを「25」で止めたのも超人だった。

六回一死一塁でバックスクリーンへ15号2ラン。片岡打撃コーチは「糸井が流れを変えてくれた。みんな重圧がかかっていたところ。大きかった」と最敬礼だ。糸井にとっても23日のヤクルト戦(神宮)以来、14打席ぶりとなる安打。本塁打も13日の巨人戦(甲子園)以来だ。目覚め、虎も生き返らせた。

前日26日にはゼロ行進を見かねた金本監督から“注文”も飛んだ。「糸井とか鳥谷とか(福留)孝介とかが引っ張ってくれるんじゃないか。そういう消化試合のような雰囲気を作るのも、ベテランやと思う。よくも悪くも」。もう一度チームの尻をたたくのは、ベテランのバットしかなかった。14日の巨人戦(甲子園)以来7試合ぶり、今季36度目のマルチ安打で即、呼応した。

「あした是が非でも。みんなで勝ちを取りにいきます」

最後も、だれより熱く言い切った。もう立ち止まらない。一戦必勝の秋、超人のバットが真っ赤に燃えている。 (長友孝輔)

http://www.sanspo.com/baseball/news/20170928/tig17092805010009-n1.html