阪神・岩貞「そこ(二回以降)はなんとか粘れて、ゲームを作ろうとしっかり腕を振っていきました」「反省点はまだあるので、自分のなかで次に生かしていきたい」

(セ・リーグ、阪神0-2DeNA、21回戦、阪神13勝8敗、24日、甲子園)61日ぶりに立つ甲子園のマウンド。もう、後はない-。岩貞は背水の気持ちで、必死に腕を振った。立ち上がりに2失点し、自身ワーストの今季10敗目(4勝)。それでも、粘った。踏ん張った。先発投手として、ゲームを作った。

「そこ(二回以降)はなんとか粘れて、ゲームを作ろうとしっかり腕を振っていきました」

試合後、クラブハウスへとつながる通路で立ち止まり、口を開いた。笑顔はない。チームに勝ちをもたらせなかった。ただ、光は見えた。一回、一死二、三塁からロペスの遊ゴロの間に失点。続く宮崎にも、なおも二死二塁から左翼線適時二塁打で追加点も奪われてしまった。一回の失点は今季17度の先発で実に10度目。課題の立ち上がり克服に「(捕手の梅野と)話し合って配球を組み立てたかったんですけど」と対策はしたが、結果には結びつかなかった。

だが、その後は無失点。直球の最速は146キロを計測し、チェンジアップ、カットボールもキレていた。8月8日の巨人戦(東京ドーム)以来の1軍登板で、6回を5安打5奪三振2失点。香田投手コーチは「ずいぶん良くなっている。去年並みに腕が振れているし、変化球でも空振りを取れている。(立ち上がりの課題は)きょうも克服できなかったけど、次回以降が楽しみ」と及第点を与えた。

今季は2年連続の2桁勝利を期待されながらも、結果で応えられない日々。2度の2軍落ちも経験した。「(足りない部分は)全部ですね…」。日に日に表情も曇っていった。苦しいとき、思い返す言葉がある。母校、横浜商大・佐々木正雄監督から送られた「踏ん張れ」という言葉だ。同監督は「『がんばれ』では力が入り過ぎてしまう。だから『踏ん張れ』と伝えている」と説明する。

クライマックスシリーズ(CS)の登板もかかった一戦で、岩貞は踏ん張った。香田コーチは「当確かと言えばそうではない。次回もこういう投球をすれば見えてくる」と合格通知はお預けとなったが、金本監督は「CSに向けて明るい材料」と問われ「そうですね」とうなずいた。

岩貞は「反省点はまだあるので、自分のなかで次に生かしていきたい」と話した。安心はしない。まだまだがむしゃらに突き進んでいく。