阪神・鳥谷、試合後「真っすぐ狙い? 永遠に真っすぐを狙ってる」と冗談めかした

(セ・リーグ、阪神3-0ヤクルト、22回戦、阪神15勝7敗、29日、甲子園)本拠地の熱気が打球を押し、偉業へ歩む背中を押した。黒土で弾んだ白球は、加速するように緑の芝生まで転がっていった。久々の甲子園の熱狂を一身に浴び、鳥谷が通算1991安打目のV打だ。本格カウントダウンへ、ついに突入した。

「先制のチャンスでしたし、走者をかえすことを考えていました。積極的に打ちにいった結果、抜けてくれてよかった」

名前をコールされただけでグラウンドの底から大歓声が沸き上がり、打球が抜けると地鳴りが起きた。0-0の二回。先頭の中谷が三塁・藤井の失策で一気に二塁へ向かい、大山の捕邪飛で一死となったところで、第1打席を迎えた。

初球で快音。石川が投じた133キロを捉え、ワンバウンドで投手の頭を越え、二塁キャンバスの上も鮮やかに抜いた。結果的に決勝打となる、先制打となった。直後には北條の適時三塁打で一塁から一気に生還。大記録へ突き進む鳥谷が、力強く試合を動かした。

試合後は「真っすぐ狙い? 永遠に真っすぐを狙ってる」と冗談めかした。26、27日の巨人戦(東京ドーム)では2戦連続無安打で足踏みしたが、夏のロードを終え、33日ぶりに戻った甲子園から、また歩み始めた。残すは「9」だ。

金本監督が「できれば甲子園で達成させてやりたいというか、達成してほしいですね」と語ったように、今週中の本拠地での達成には5戦で9安打が必要だ。片岡打撃コーチも「ポンといいところでタイムリーが出たし、何とか甲子園で決めてほしい」と切に願う。

6位ヤクルト、5位中日を本拠地に迎える負けられない5戦で、チームを勝たせながら打ち続ける。この夜も、何とかチームのために動いた。先制打の直後の、三回の守備。先頭の坂口に四球を与えた小野に、鳥谷は三塁の守備位置から歩み寄り、言葉をかけた。

「こんな日もある」

調子が悪くても、けがを抱えていても戦い続けてきた男だから言える、“切り替えろ”という短いメッセージだった。小野は実際に、直後の山崎を二ゴロ併殺に斬って立ち直り、初めて勝った。

小野をバットで援護できたことに、鳥谷は「その後も1点入ったし、よかった」と少しだけ表情を崩した。佳境を迎えたカウントダウンも、ただ勝利のためだけに減らしていく。 (長友孝輔)

http://www.sanspo.com/baseball/news/20170830/tig17083005040017-n1.html