阪神・藤浪「悪くなかったです。本当は『いい投球』と言いたいところですが、七回、あそこで粘れなかった。苦しいところで粘ってこそ。代えられたのは反省すべきところ」

(セ・リーグ、巨人6-0阪神、19回戦、巨人11勝8敗、27日、東京D)光明や! 阪神は夏のロード最終戦で、巨人に0-6と今季10度目の完封負けを喫した。打線が今季ワーストタイの2安打と封じられたなか、先発した藤浪晋太郎投手(23)が六回までは2安打無失点と、復活の兆しを感じさせる内容。七回途中に崩れたものの、一筋の光を与えた。

0-1の七回一死一、三塁。降板する藤浪にスタンド全体から拍手が起こった。G党も手に汗を握る投手戦を演じた右腕をたたえた。6回1/3を3安打3失点で5敗目。踏ん張れなかった。それでも2度目の復帰登板で復活の兆しがみえた。

「悪くなかったです。本当は『いい投球』と言いたいところですが、七回、あそこで粘れなかった。苦しいところで粘ってこそ。代えられたのは反省すべきところ」

一回、先頭の陽岱鋼に外角へ159キロの直球を決めて見逃し三振。2安打を許して二死一、二塁とされたが、村田をスライダーで左飛に仕留めた。立ち上がりをしのぐと、二回以降は迫力満点のストレートにカット、フォークを織り交ぜて、六回まで2四球を出しつつも無安打だ。

七回は一死から村田へのスライダーがすっぽ抜け、背中に当てた。続く亀井に二塁打を浴びて1失点。長野に四球を与えたところで金本監督が交代を告げた。唇をかみ、しばらくボールを離さなかった。悔しかった。

「イニングの途中で代えられることは、気持ちのいいものじゃない」

82日ぶりに1軍マウンドに上がった16日の広島戦(京セラ)は一回から制球が不安定で7四死球を出し、4回2/3を7安打3失点。それに比べれば復活を印象づける内容だった。金本監督が「六回までの姿をみて、ひと安心かな」と言えば、香田投手コーチも「すごくよかった。次につながるものが見えてきた」と内容を評価した。

5月20日のヤクルト戦(神宮)。中村に死球を与えて3回0/3で4失点で降板した。関係者に「腕の感覚がなくなった」ともらした。普通に投げられない。どん底だった。

約3カ月に及ぶ2軍生活の日々。プロ入り後、初めて鳴尾浜で真っ黒に日焼けして、試行錯誤した。リリースに集中するために、脱力投球を試した。“投げたい”という気持ちをわき起こすため、ミニキャンプを張った。心身両面を刺激し、己を取り戻そうとした。

16日の登板後に10日間、2軍に戻ったときのこと。ブルペン投球を重ねるたびに、ボールのキレが向上した。本田ブルペン捕手は「どう投げればいいかということを思い出していた」と証言する。もがいた日々は、実を結びつつあった。

指揮官は次回登板について「ありますね」と明言した。夏のロードは黒星フィニッシュとなったが、16勝10敗1分けで勝ち越し、貯金「6」を積み上げた。29日からは甲子園に戻る。このまま毎週日曜日に登板すれば、9月は4戦連続で甲子園。大声援を背に、完全復活するはずだ。

首位広島がナイターで負け、ゲーム差は「7・5」のまま。勝負の終盤戦へ、藤浪という大きなピースが戻ってきた。 (西垣戸理大)

藤浪とバッテリーを組んだ阪神・坂本「(三回の)陽岱鋼さんへの四球みたいに、ちょっとバタバタするところもありましたけど、修正していけた。本来の晋太郎の投球だったと思う」

http://www.sanspo.com/baseball/news/20170828/tig17082805040007-n1.html