阪神・金本監督、中谷について「そりゃもう、将来的に3割もみえてきますし。3割30本、あいつなら3割40本を目指してほしいと思う。彼ならそこを克服すれば絶対にできると思う」

(セ・リーグ、ヤクルト3-6阪神、21回戦、阪神14勝7敗、24日、神宮)奇跡が見えた! 阪神・中谷将大外野手(24)が3戦連発となる16号3ランを放ち、ヤクルトに2連勝。金本政権初の貯金「13」に到達した。首位・広島が敗れ、14日以来となる自力優勝が復活。最大11ゲーム差だった鯉と6・5差に。逆転Vが現実味を帯びてきた!

リプレーじゃない。夢でもない。黄色い熱狂の中心へ向かって、中谷がまた希望のアーチを再現した。一戦、一球に食らいつく気持ちが大器からあふれ出て、3戦連続弾となる3ランで勝負ありだ。時を同じくして、鯉は3戦連続サヨナラ負けし虎の自力Vも復活。もしも奇跡が起こるなら、こんな日から起こる。

 「甘いボールを一発で仕留められました。真っすぐのタイミングでいって、あの球はうまく反応できました」

2-1の三回だった。一死一、三塁で4番のロジャースが空振り三振に倒れ、追加点奪取は24歳に託された。1ボールからの2球目。星の真ん中に入ったスライダーを、グンッと振り抜く。バットを投げ飛ばしながら夜空を見つめた。左翼のバレンティンが打球を追わずに頭を抱え、悔しがる。打球は左翼席中段に舞い落ちた。一気に5-1。大勢が決した。再び福留を引き離してチーム単独トップに立つ16号。22日のカード初戦から、ドドドッと3戦連発だ。

貯金は金本政権2年目にして最多の「13」にふくらんだ。広島が3戦連続サヨナラ負けとつまずく真夏の夜に、虎待望の大砲が大輪の花を咲かせ、14日以来10日ぶりに自力Vが復活。鯉の優勝へのマジックナンバーが消えた。ゲーム差は6・5。残りは31試合。3戦連発でシーズン換算で「20・4本塁打ペース」に乗せた中谷だが、チームのためにも打ち続けなくてはならない。壁を突き破りながら、そのバットで奇跡を起こす。鯉の尻尾も必ずつかむ。

若虎の中でもこれまでは弟分だった。「プリズン・ブレイク」など米国ドラマがはやれば、先輩のDVDを何日も借りっぱなしにした。原口ら先輩が退寮し一人暮らしを始めれば、真っ先に新居にお邪魔。新品のソファで遠慮なく寝転がった。だが頼りなさは日に日に消え、競争も抜け出し、チームの柱となろうともがいている。

種をまき、水をやり、ときに踏みつけて成長をうながしてきた金本監督は、もっとできると信じて疑わない。5打数1安打に「その後の速い球を打たなあかん。あれを仕留めんと…。インサイド3つ放られて3球で終わったでしょ。その次の打席、両方放られて、もうまったくダメだったでしょ?」と厳しい目を向ける。そこさえ克服すれば-。「そりゃもう、将来的に3割もみえてきますし。3割30本、あいつなら3割40本を目指してほしいと思う。彼ならそこを克服すれば絶対にできると思う。あの3球、インサイドをやられたのを悔しいと思わないとダメですよ」。大きな花を咲かせられると思うからこそ、苦々しく見つめる。

「(本塁打の)あの打席はいい感覚だったと思います」

手応えと、課題ももって進む。一本立ちした中谷が何本もアーチをかければ、奇跡は向こうから歩いてくる。 (長友孝輔)

http://www.sanspo.com/baseball/news/20170825/tig17082505040007-n1.html