阪神OB「早く正捕手を育て守りを強化するのが、打倒広島のカギではないか」「いつまで待てば捕手を固定できるのか。広島との差は数字以上で、超変革のゴールはまだまだ遠い」

2位阪神と首位広島の数少ない共通点に、正捕手不在がある。阪神は梅野隆太郎(26)と坂本誠志郎(23)の併用。広島は会沢と石原を使い分けている。(1)投手との相性(2)リードの巧拙(3)打力(4)守備力(5)疲労などを、考慮したうえでの起用だろう。

「ただ広島の場合、他のポジションが強力だから、弱い捕手部門をカバーできる。阪神は他のポジションも劣るから捕手に比重がかかる。早く正捕手を育て守りを強化するのが、打倒広島のカギではないか」と球団OBは指摘する。

今季開幕当初は梅野が一本立ちしそうな勢いだった。しかし、リードに成長は見られるものの、貧打にあえぎ、好機で代打を送られるケースが増えた。そこに故障が癒えた坂本が戦列復帰。以後は両者の併用が続く。

 「なぜ捕手の固定化は理想なのか。試合は1試合ずつ切れているようで、つながっているからだ。リードは前の試合などを参考に組み立てられる。捕手をクルクル代えると、根拠の薄い、その場しのぎのリードになる」と先のOB。

確かに黄金時代を築いたチームには、不動の捕手の存在があった。古くは巨人・森、西武・伊東、ヤクルト・古田。近年は中日・谷繁くらいで、捕手難の時代を迎えている。

阪神の場合、形は梅野、坂本の正捕手争いでも、お互い決め手を欠くため、併用から抜け出せないのが現実だ。先発がメッセンジャー、能見、小野、青柳の時は梅野。岩田、秋山、岩貞なら坂本。相性でバッテリーが色分けされるあたりに首脳陣の苦悩がにじむ。

福留のサヨナラ犠飛で辛くも3連戦全敗を免れた17日の広島戦(京セラ)は、坂本が先発するも6回に代打・糸井を送られ、7回から梅野がマスクをかぶった。

「昨年から続く日替わり打線と一緒で、いつまで待てば捕手を固定できるのか。広島との差は数字以上で、超変革のゴールはまだまだ遠い」と先のOBはため息をつく。(スポーツライター・西本忠成)