阪神・岩田「1人でまかなえるかどうかわかりませんが、ランディ(メッセンジャー)が帰ってくるまで、しっかりみんなで団結していきたいと思います」「CSでランディに投げてもらいましょう!」

(セ・リーグ、DeNA1-8阪神、15回戦、阪神9勝6敗、11日、横浜)メッセよ、ゆっくり治して! 阪神はDeNAに8-1と大勝。岩田稔投手(33)が今季最長となる7回を投げ、3安打1失点の力投で2勝目を挙げた。前日10日の巨人戦で先発陣の大黒柱、ランディ・メッセンジャー投手(35)が右足を骨折して離脱。チームの大ピンチを救い、首位広島とのゲーム差を7・5に縮めた。

涙をのんだ戦友への思いを、ボールに強く込めた。重みが増した速球は霧雨を切り裂き、コースに決まった。岩田が7回3安打1失点で今季2勝目。右足骨折でチームを離脱したメッセンジャーの意志を受け継ぎ、チームに光をもたらした。

「1人でまかなえるかどうかわかりませんが、ランディ(メッセンジャー)が帰ってくるまで、しっかりみんなで団結していきたいと思います」

ヒーローはハマの虎党に力強く宣言した。メッセの穴は全員で埋める。その気持ちを、マウンド上で体現した。

一回。いきなり鳥谷の失策と四球で一死一、二塁とピンチを背負うが、強打者ロペスを直球で押し込んで右飛、首位打者の宮崎も低めのツーシームを引っかけさせて、投ゴロに仕留めた。

苦手な立ち上がりをゼロで終えると、二回、三回と2イニング連続で三者凡退。失点は五回の1点のみ。六回の先頭・筒香を内角146キロの真っすぐで空振り三振に斬るなど、ノビのある直球を武器に破壊力抜群のDeNA打線を寄せ付けなかった。香田投手コーチも「真っすぐがいいんだよね。スピードも出ているし、低めにも決まっている。安定感のある内容を維持してほしい」と納得の表情をみせた。

魂の99球だった。開幕からチームを引っ張ってきたメッセンジャーが、前日10日の巨人戦(東京ドーム)で右足に打球を受け、腓骨を骨折。今季中の復帰は絶望的となった。悲劇から一夜明け、チーム宿舎のミーティング会場にはメッセの姿があった。

「投げられるようになるまで、がんばってくれ」

誰よりも悔しいはずの大黒柱は、こう話して仲間を激励した。「ミーティングに顔を出してくれた。チーム一丸でランディが戻ってこれるような試合をしていきたい」。投げられるようになるのは少なくともポストシーズン。クライマックス・シリーズ(CS)か、日本シリーズか。アイツが戻ってくる場所を、死守する。それが虎戦士の合言葉となった。金本監督も「『俺が絶対に(メッセンジャーの)穴を埋めるんだ』というハートをもってほしい。きょうの岩田は、そういうのを感じた」とうなずいた。

「CSでランディに投げてもらいましょう!」

岩田は力強く宣言した。自宅には京都・大徳寺大仙院の僧侶、尾関宗園による書『今こそ出発点』が飾られている。その書には『今ここで頑張らずにいつ頑張る』とも-。虎投よ、今こそそのときだ。岩田がそれを、示してくれた。 (西垣戸理大)

http://www.sanspo.com/baseball/news/20170812/tig17081205040003-n1.html