阪神・福留「足がもつれてしまって…。自分でもビックリしたよ。俺が打ったとかではなく、あきらめないぞという姿勢を全員がもっていたし、それが最後にああなったと思う」

(セ・リーグ、巨人4-5阪神、15回戦、巨人8勝7敗、9日、東京D)阪神は巨人に5-4で逆転勝ち。福留孝介外野手(40)が激走でVをもぎとった。土壇場の九回に同点の三塁打を放つと、ジェイソン・ロジャース内野手(29)の犠飛で本塁突入。執念のスライディングで勝ち越した。首位広島が敗れたため、自力Vの可能性が復活。失速の夏にはしない。猛追の猛虎や! まだまだあきらめへんで!!

福留は鬼の形相で二塁も蹴った。三塁に到達した瞬間は肩をうねらせるほど息が切れていた。小休止と思った矢先、ロジャースが初球を打ち上げて再発進。本塁クロスプレーに頭から突っ込み、決勝点をもぎとった。

「これで疲れていない人はおらんやろ(笑)。足がもつれてしまって…。自分でもビックリしたよ。俺が打ったとかではなく、あきらめないぞという姿勢を全員がもっていたし、それが最後にああなったと思う」

1点を追う九回一死。守護神・カミネロから代打・伊藤隼が中前にはじき返して、チャンスメーク。福留は4球目の高めスライダーを一閃。右中間を破った。今季、打率・500と相性のいい東京ドームだが、打つだけではない。激走で、まずは三塁打とした。

続いてロジャースの犠飛で本塁へ。捕手・宇佐見のタッチをかいくぐる芸術的なスライディングを決めると、黄金の左手でベースにタッチ。ユニホームを土まみれにさせながら、足で奇跡の逆転勝利をつかみとった。

嫌な流れだった。五回まで2-0。ロジャース、福留の適時打でコツコツと点を重ねたが、先発・青柳を5回無失点で降板させてから大誤算。七回は岩崎が二死満塁としたところでマテオ投入も、マギーに初球を左中間に運ばれた。一走・陽の本塁生還をめぐってリプレー検証の結果、アウトがセーフに。またもや夏の失速か!? 悪夢の気配を、40歳が蹴っ飛ばした。

 「スタートを切ったときに、足がもつれたので心配していた。これだけ声援をもらって恥ずかしいプレーはできないので、励みになります」

1歩目の大切さ。ハワイで行う合同自主トレで陸上の日本代表、昨夏のリオデジャネイロ五輪4×100メートルリレー銀メダリストの飯塚翔太(26)=ミズノ=から学んだことだ。同じスタートラインに立ち、50メートルで競走をした。「全然違うよな…。俺の3歩分ぐらい彼は1歩目で出ているもんな」と舌を巻いた。

「どういう姿勢で走ったらいいの?」「手の動きは?」。徹底的に質問攻めにした後、また並んでスタートへ。10歳以上も年が離れた陸上のプロから吸収する。衰えぬ健脚の秘密がそこにある。

「あしたが心配です」

四十路を迎えた自らの体について苦笑したが、10日は特別休暇が決まった。金本監督は「いってもらおうと思っていたけど、休ませる。走塁をみたら、かわいそうになって。ちょっと申し訳ないなと」と説明。広島の優勝マジックをわずか1日で消滅させたご褒美で、また充電だ。

「きょうの試合みたいに誰もあきらめていないので。しっかり前を見てやっていく」

頼もしい男が、また進軍ラッパを吹く。虎の闘志は、しぼんでいない。 (阿部祐亮)

http://www.sanspo.com/baseball/news/20170810/tig17081005040012-n1.html