阪神・上本、守備力アップへ“まな板グラブ”で練習「先に準備しないと捕れないので。意識付けでやっています」

「2番・二塁」-。場内アナウンスを聞いて、心の中に苦手意識が渦巻く投手も少ないだろう。開幕から56試合に出場して打率・284、3本塁打、14打点。(交流戦終了時点)。阪神・上本博紀内野手(30)の粘り強い打撃は、猛虎打線の中で重要な役割を担っている。そんないぶし銀は今、守備力向上にも神経を注ぐ。真のレギュラーへ、新たなチャレンジにまい進中だ。

練習時、上本の手には“まな板グラブ”が握られている。通常の物とは大きく違い、それにはポケット部分がない。転がってくるボールを中心に当て、横に添える右手で素早く握り替えなければ、必ずはじいてしまう。捕球姿勢、さらには送球の安定性を養う特訓だ。今季から背番号00を背負う30歳が、その意図を教えてくれた。

「先に準備しないと捕れないので。意識付けでやっています」

2月の沖縄・宜野座キャンプ終了後、契約を結ぶ久保田運動具店(スラッガー社)の担当者に要望を出した。「上手な人のグラブがほしいです」-。届けられたのは、二塁手部門で2度のゴールデングラブ賞を獲得しているソフトバンク・本多の練習用グラブ。“まな板グラブ”は、球界屈指の名手が実際に使用していた物だった。4月中旬から使用し始め、現在もノックなどで鍛錬を積んでいる。

自己最多131試合に出場した14年シーズンは、二塁手部門でリーグワーストの17失策を記録した。自身のケガなどもあって15、16年ともレギュラーを確固たるものにできず、気づけば今年で31歳を迎える中堅選手となった。課題の守備が克服できれば、新境地が見えてくる。特注グラブでの修行、キャンプでは打撃投手を務めるなどスローイング矯正にも懸命に汗を流した。

久慈内野守備走塁コーチは「一つの的に向かって黙々と投げる練習をよくやっていた。引っ掛けるボールは少なくなったね」と評価している。下半身主体のスローイング練習で下地を作り、本多のグラブで速さと正確性を追求する。苦手克服へ、まだ道半ば。月日はかかっても、守備力向上への志はぶれない。

今季ここまで56試合の出場で、失策はわずか「2」。試合終盤は大和に二塁を任せることも多いが、着実に階段は上っている。23日・広島戦(マツダ)からリーグ戦が再開。自慢のバットと同様、粘り強いフィールディングが勝敗の鍵を握る。「2番・二塁」が真のレギュラーになれば、虎はさらに強くなる。(デイリースポーツ・中野雄太)

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